お問い合せ ご利用ガイド HOMEへ戻る
文字サイズ
小 中 大

塗り物の手入れについて

塗り物の手入れについて
漆塗の製品には必ずと言っていいほど"手入れが…”、”保管場所はどうすれば…”という質問が多く寄せられます。
特別な手入れは必要なく、普通の食器と同じように扱って頂きたいところですが、重要なポイントが3点ほどあります。

第一に木製漆器の場合お椀や、カップについては木地(素材)の厚みを0.8cmで挽き、漆を塗り重ね1.2cmで仕上げた物があります。
このような薄仕上げの器の場合、薄い木であるという認識が必要となります。当然布着せや塗り重ねることで強度は増しますが、1mを超える高さから落としたり致しますと、亀裂が入り、はく離、後には底漏れにつながります。
ならば厚い木地を使えばという事になりますが、ここが一番重要なポイントとなります。
日本人の食事文化は食器はかならず持ち、口に付けて頂くのが一般的です。
このような使い方は世界でも珍しく、日本独自の食文化と言えます。その中でも古来より漆器は晴れのお祝い事や、特別なおもてなしに使われてきました。
このことから製作現場でも薄く軽く上品にという物造りがなされ、今日に至っております。この事を踏まえ器の持つ機能性をお楽しみ下さい。

第二に天然漆は樹液である事。
塗り物は丈夫で長持ち、一生物と称されますが、あくまでも木に木の樹液を塗ったものであり、デリケートな部分があります。
高価であることから使った後そっと、やさしく拭いて仕舞い込むのが一般的でありますが、漆の表面には顕微鏡で見ると複数の不規則な穴が開いており、これによりしっとりとした手触り感を感じるのであり、やさしい手入れをしておくと穴の中に水アカが溜まり、いつのまにか表面が白くなります。
このような経験をされると、結果として塗り物の手入れは大変、となるのがいいイメージとは裏腹な一般論となっているようです。
使用後の手入れといたしましては、水、またはお湯で洗う際に、タオル、もしくは綿製の布をお湯、水に浸し、水滴がでないほど堅く絞った後、よごれの付着した部分をおもいきり強く拭いてください。ぜったいにキズは付きません。
その際に全体も強く拭き、最後に乾いたタオル、綿製の布でふきあげればいつまでも艶やかさを保つ事が出来ます。
このような説明はあまりされず、良い印象ばかりが先行し、本質がお客様に理解されないままとなっているのが現状であります。是非実践してみた下さい。

第三に収納する際には温度の安定した場所(30度以下)湿度50%以上、直射日光の当たらない場所が適性な保管条件となります。
塗り物の木地は寒冷地の材質が多くつかわれ、気温が35度を超えたり湿度が50%を切る環境には対応できず、変形または亀裂が入る場合があります。
薄暗い押入れの下などがお薦めです。
以上制約の多い扱いにくい物に思われがちですが、すべてが天然の材質、材料でできており、他の天然素材製品とかわらぬ少しだけの気使いが、長くいい状態を保つ官理方法となります。

その他不明な点につきましてはお問合わせください。

関連記事

一覧に戻る

用語

あ行か行さ行た行
な行は行ま行や行
ら行わ行

記事カテゴリ

ご質問について

会社概要 利用ガイド プライバシーポリシー 免責事項